和紙のQ&A:日本の和紙の産地はどこですか?

日本の伝統文化として、古くから人々の生活に根付いてきた和紙。その歴史は古く、平安時代にはすでに高度な技術で様々な種類の和紙が作られていました。現在でも、日本各地で特徴ある和紙が作られており、その数は数えきれません。

この記事では、日本の和紙の産地を全国的に網羅し、それぞれの地域の代表的な和紙についてご紹介します。

 

各都道府県別「和紙の産地と種類」

 

以下は、各都道府県における和紙の産地と、そこで漉かれている代表的な和紙の種類の一覧です。全国47都道府県のうち、青森県・千葉県・神奈川県・大阪府・香川県・長崎県の6県を除く41都道府県に、現在も和紙の産地が存在します。これらの産地では、合わせて75種類もの代表的な和紙が漉かれています。

しかし、後継者不足や職人の高齢化などの課題により、産地によっては和紙を漉いている工房がわずか1軒しかないケースも少なくありません。そのため、この一覧はあくまで本記事執筆時点での情報となりますので、あらかじめご了承ください。

 

全国にある和紙漉きの産地が画かれた地図

 

「北海道・東北」

 

北海道

  • 笹紙(ささがみ)
  • 富貴紙(ふきがみ)

 

岩手県

  • 東山和紙(とうざんわし)
  • 成島和紙(なるしまわし)

 

秋田県

  • 十文字和紙(じゅうもんじわし)

 

宮城県

  • 白石和紙(しろいしわし)
  • 柳生和紙(やなぎふわし)
  • 丸森和紙(まるもりわし)

 

山形県

  • 高松和紙(たかまつわし)
  • 長沢和紙(ながさわわし)
  • 月山和紙(がっさんわし)
  • 深山和紙(みやまわし)

 

福島県

  • 上川崎和紙(かみかわさきわし)
  • 遠野和紙(とおのわし)
  • 山舟生和紙(やまふにゅうわし)

 

「関東」

 

茨城県

  • 五介和紙(ごすけわし)

 

栃木県

  • 烏山和紙(からすやまわし)

 

群馬県

  • 桐生和紙(きりゅうわし)

 

埼玉県

  • 小川和紙(おがわわし)

 

東京都

  • 軍道紙(ぐんどうし)

 

「中部」

 

新潟県

  • 小出和紙(こいでわし)
  • 小国和紙(おぐにわし)
  • 門出和紙(かどいでわし)

 

富山県

  • 越中和紙(えっちゅうわし)

 

石川県

  • 加賀二俣和紙(かがふたまたわし)
  • 加賀雁皮紙(かががんぴし)
  • 能登仁行和紙(のとにぎょうわし)

 

福井県

  • 越前和紙(えちぜんわし)
  • 若狭和紙(わかさわし)

 

山梨県

  • 西島和紙(にしじまわし)

 

長野県

  • 内山紙(うちやまし)

 

岐阜県

  • 美濃和紙(みのわし)
  • 山中和紙(さんちゅうわし)

 

静岡県

  • 駿河柚野紙(するがゆのがみ)

 

愛知県

  • 小原和紙(おばらわし)

 

「近畿」

 

三重県

  • 伊勢和紙(いせわし)
  • 深野和紙(ふかのわし)

 

滋賀県

  • なるこ和紙(なるこわし)

 

京都府

  • 黒谷和紙(くろたにわし)
  • 丹後和紙(たんごわし)

 

兵庫県

  • 名塩紙(なじおかみ)
  • 杉原紙(すぎはらがみ)
  • 淡路津名紙(あわじつながみ)
  • ちくさ雁皮紙(ちくさがんぴし)
  • 神戸和紙(こうべわし)

 

奈良県

  • 吉野和紙(よしのわし)

 

和歌山県

  • 保田和紙(やすだわし)
  • 高野紙(こうやがみ)
  • 山路紙(さんじがみ)

 

「中国」

 

鳥取県

  • 因州和紙(いんしゅうわし)

 

島根県

  • 出雲民芸紙(いずもみんげいし)
  • 石州和紙(せきしゅうわし)
  • 広瀬和紙(ひろせわし)
  • 斐伊川和紙(ひいかわわし)

 

岡山県

  • 横野和紙(よこのわし)
  • 樫西和紙(かしにしわし)
  • 備中和紙(びっちゅうわし)

 

広島県

  • 大竹和紙(おおたけわし)

 

山口県

  • 徳地和紙(とくじわし)

 

「四国」

 

徳島県

  • 阿波和紙(あわわし)
  • 拝宮和紙(はいぎゅうわし)

 

愛媛県

  • 伊予和紙(いよわし)
  • 周桑和紙(しゅうそうわし)
  • 大洲和紙(おおずわし)

 

高知県

  • 土佐和紙(とさわし)

 

「九州・沖縄」

 

福岡県

  • 八女和紙(やめわし)

 

佐賀県

  • 重橋和紙(じゅうばしわし)
  • 名尾和紙(なおわし)

 

熊本県

  • 水俣和紙(みなまたわし)
  • 宮地和紙(みやじわし)

 

大分県

  • 竹田和紙(たけだわし)
  • 弥生和紙(やよいわし)

 

宮崎県

  • 美々津和紙(みみつわし)

 

鹿児島

  • さつま和紙(さつまわし)

 

沖縄県

  • 琉球紙(りゅうきゅうし)

 

まとめ

 

日本の和紙産地は、それぞれが長い歴史と伝統、そして独自の技術を持っています。産地によって原料や製法が異なり、多種多様な和紙が生まれているのが魅力です。もし機会があれば、各地の和紙に触れて、その魅力を感じてみてください。産地によっては、紙漉き体験なども行っている場合がありますので、旅の思い出に、世界に一つだけの和紙を作ってみるのもおすすめです。

紙漉き体験に興味のある方は、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンで「都道府県名 紙漉き体験」もしくは「代表的な和紙の名前 紙漉き体験」と検索してみてください。各産地で行われている紙漉き体験の情報がヒットします。

 

※参考記事:
日本で最も有名な「日本三大和紙」をはじめ、各産地の特徴を詳しく解説しています。

 

和紙の産地で人気の紙漉き体験。同じ体験でもなぜ値段に差があるのか、その理由を解説します。

 

 

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著者/この記事を書いた人

浅倉紙業株式会社(Asakurashigyo Corporation)
浅倉敏之

石川県金沢市にある明治30年(1897年)創業の和紙専門店です。自社工房で制作する染色・創作和紙をはじめ、和紙インテリア製品や和紙小物など、幅広い和紙製品を取り扱っています。お客様のご要望に合わせたオリジナル製品の企画・制作も承っております。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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