和紙のQ&A:和紙のメリット・デメリットを教えて下さい。

*****日本の和紙について分からない事にお答えする「和紙のQ&A」*****

白い和紙

 

和紙について、知っているようで意外と知らない方もいるかもしれません。そこで今回は、代表的な和紙のメリット・デメリットについて、詳しくご紹介致します。
「和紙にこんな機能があったんだ!」と新たな発見があるかもしれませんよ。

 

和紙のメリット

 

  • 素材感の良さ
    長い繊維が絡み合って出来た和紙には、温かみのある表情や手触りの良さがあります。3大和紙原料「楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)」それぞれに特徴があり、見る人を和ませます。

 

  • 高耐久
    強靭な繊維を持つ和紙には、1000年以上の保存に耐えるものもあります。和紙の持つ柔軟性や経年による変化が少ないことから、国内外問わず、重要無形文化財や絵画の修理修復などにも使われています。

 

  • 染色や加工に耐えうる強靭さ
    和紙は水を含ませながら行う染めや折りなど、様々な加工が出来るので表現の幅が広がります。
    一方洋紙はパルプ原料を主をしているため繊維が短く、特に水を使った加工を行うとボロボロになります。

 

  • 紫外線・赤外線カット効果
    光が透過する際に和紙の繊維で乱反射がおこるため、「紫外線」を90%前後カットする効果があります。また、肌に感じる熱さの光線「赤外線」も80%前後カットするので、和室の障子は夏を涼しく過ごすため、理にかなっています。

 

  • 調湿・空気浄化作用
    和紙には湿気が多い時には吸収し、乾燥しているときには放出する自然の調湿効果があります。また、和紙繊維がフィルターの役割を果たし、花粉やホコリなどを吸着。消臭作用もあり、自然の力で快適な室内環境をつくります。

 

 

和紙のデメリット

 

  • 価格が高い
    原料が高価であること。下処理などにかかる手間や時間、洋紙のように量産が難しいことなどから、和紙は高価なものになります。ちなみに市場に出回っている安い和紙は、原料にパルプが多く使われた洋紙に近い和紙です。

 

  • 印刷などをした場合、色の発色が悪い
    和紙の白無地は真っ白ではなく、原料由来の生成り色(きなりいろ)の為、正確な色表現が難しいと言われています。またインクなどが染み込むため滲みやすく、細かな描写も不向きです。そんな中、現在では写真やポスター印刷に適した和紙も開発されており、海外のアーティストからも高い評価をうけています。ちなみに、レーザープリンターでは概ね綺麗に印刷出来ます。ただ、和紙は洋紙よりも紙粉(紙繊維)がでるため、トナー回収ボトルが通常よりも早く交換時期を迎える可能性があります。

 

  • カビや虫食いに弱い
    和紙に限ったことではありませんが、湿気の多い場所に長期間放置しておくとカビが発生する可能性があります。
    また、良質な原料で作られた和紙は害虫にとっても美味しいようで、虫食い被害にあうこともあります。風通しの良いところに保管したり、桐箱や桐たんすに入れておくと害虫予防になります。

 

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