和紙のQ&A:和紙の原料となる楮(こうぞ)1kgあたりからA4ほどの紙は何枚ほどできるのでしょうか?

*****日本の和紙について分からない事にお答えする「和紙のQ&A」*****

 

和紙の原料となる楮(こうぞ)

和紙の原料となる楮(こうぞ)

 

楮から作れるA4紙の枚数

 

A4用紙の種類にもよりますが、一般的な上質紙(コピー用紙・化学パルプ100%使用・重量は1枚あたり約4g程)を想定してお応え致します。

結論からいうと、楮(こうぞ)原料1㎏から、A4紙が約10枚作れます。

 

楮の歩留まり

 

楮の原木を100としたとき、使用出来るものはわずか4%と言われています。どれくらい少ないかというと、洋紙原料の「機械パルプ」の場合は90~95%。純度の高い「化学パルプ」の場合は50%程が残るそうです。

 

  • 機械パルプとは(用途:新聞紙など)
    木材を機械で細かく砕き、漂白処理を施したもの。

 

  • 化学パルプとは(用途:印刷用紙など)
    木材を薬品と熱で処理し、繊維だけを取り出したもの。

 

和紙の貴重さ

 

つまり同じ原料の重さから、機械パルプだとなんと225枚~238枚、純度の高い化学パルプでも約125枚ものA4紙が作れる計算です。和紙の約10枚と比べると、その差は歴然ですね。

さらに、和紙は原料の調達コストや、漉ける状態にするまでの手間暇もかかります。こうした背景からも、強靭な繊維を持ち、耐久性にも優れた和紙の貴重さが際立ちます。和紙と洋紙の違いを詳しくお知りになりたい方は、弊社ブログ記事「和紙と洋紙の違いとは-第2回 「 和紙ってどんなもの? 」 編」も合わせてご覧ください。

 

 

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著者/この記事を書いた人

浅倉紙業株式会社(Asakurashigyo Corporation)
浅倉敏之

石川県金沢市にある明治30年(1897年)創業の和紙専門店です。自社工房で制作する染色・創作和紙をはじめ、和紙インテリア製品や和紙小物など、幅広い和紙製品を取り扱っています。お客様のご要望に合わせたオリジナル製品の企画・制作も承っております。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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